つばさ会トップ   同好会トップ   つばさ川柳トップ



    つばさ川柳 願法みつる編 (137号) 

近づいたゴールへ歩幅狭くする     末田 洋一
やがて来るボケの兆しか道迷う
雨の日のマナーに欲しい傘かしげ    田所  健
認知症別のひとりに僕がいる
母と義父介護してます二刀流      谷井 修平
スケールの大きさ米の選挙戦
産廃を食材にする錬金師        中井  極
喜寿過ぎて死よりも生が怖くなり
晩節を汚す余力も既になし       濱田 喜己
指揮権を譲り家内は波靜か
贅沢な遊びに見える庭掃除       蜂巣  徹
十年はひと昔だと大相撲
鍋奉行誰にも文句言わせない      藤沼 智弘
倦怠期仲を取りもつマイペット
相談もあちこち抜ける斑惚け      堀内今一歩
スマホ手に皆俯いている世相
大相撲出身地など気にしない      若松 靖夫
物惜しみいずれ苦労の後始末
マンションからの別世界雪景色     上田 将子
九十六の元気者雪も搔き
若者はヤバイヤバイで日を暮らし    岩崎 篤子
日本語も絶滅危惧種一歩前
付き合いも慣れてる下戸の徳利酒    佐原 利幸
獺祭酒子規を想って撫でている
政治屋は野合も認め世を乱す      鈴木  至
楽隠居老人ホームにも惹かれ
究極の美味礼賛に露地野菜       願法みつる
戦争を知らない子等の宇宙戦

課題  『若 い』      みつる選
  若さかな成人式のバカ騒ぎ     谷井 修平
  サギ県議若いうちから痴呆症    中井  極
  倒立も出来た昔の背が丸い     佐原 利幸
  伝統の神楽をつなぐ若い汗     末田 洋一
  美味で摂り爽快に出しまだ若い   若松 靖夫
  腰痛に若さ盗られて杖を突く    田所  健
  リフォームに若気で挑む余命無視  鈴木  至
  エプロンを掛けすたこらの若さ保ち 藤沼 智弘
  若人の命の粗末胸を打つ      上田 将子
  邯鄲の夢の世界も若い内      岩崎 篤子
秀 風を切る若さは無いが意地がある  濱田 喜己
秀 百歳の話しっぷりの元気良さ    蜂巣  徹
秀 老けたとは思いませんと白寿翁   堀内今一歩
軸 心機一転人生の三段目       願法みつる


「雑 感 1」
昨年は「柳多留」が世に出て二百五十年に当たることから、川柳関連の各種行事が行われました。文芸川柳なるものをカタチで残そうと、志ある方々が数年を掛けて準備してきたことでした。その一つに「川柳の原点 誹風柳多留発祥の地」なる記念碑が建ったことを、ご存知の方も居られるかも知れません。
所は上野広小路、京成電鉄「上野駅」出口正面横、交番の傍、上野の山への登り口に建っています。忙しく足早に通り行く方の目には入らないかも知れませんが、厳然と在ります。しかも光っています。よく見ればナントも心嬉しくもなる像です。
光沢のある金属四角錐の台座の上には、柳樽が据えられています。その樽に一羽の黄金に輝くアヒルが、羽根を拡げて、大空を見上げる姿で留まっています。テレビコマーシャルに出て来る例のアヒル然とした愛嬌です。柳多留にある「羽のあるいいわけほどはあひるとぶ」という木綿(誹風柳多留の編者 呉陵軒可有の別号)の句が刻まれています。後学のためにも、一度観ておかれる事をお勧めします。
此処上野を含む江東区には、川柳発祥に関わりのある史跡が多いことから、色々な句碑も建っています。蔵前には柄井川柳の墓所 龍宝寺があり、「木枯らしや跡で芽を吹け川柳」の句碑が、また少し離れた交差点には、川柳発祥の碑があります。
関東では川柳人協会が主催で、毎年、二月の花久忌(竹の塚の東岳寺・誹風柳多留の版元花屋久治郎忌)、五月の可有忌(龍宝寺・呉陵軒可有忌)、九月の川柳忌(龍宝寺・柳祖 柄井川柳忌)が行われ、句会が挙行されます。私も、前はは川柳忌で、今年は花久忌で、それぞれ選を仰せつかりました。
 
次号課題は「開ける」。課題句二句と自由句は三句をご投稿下さい。締切日は五月末日です。