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ドクター大橋の「元気で長生き」講座(2)


                            H28.01.15

 ドクター大橋の「元気で長生き」講座(2)

    社会医療法人ジャパン・メディカル・アライアンス 医師
                  つばさ会会員 大橋 幸一郎

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 好評により、「元気で長生き」講座(2)を執筆させて頂くことになりました。
 今回は、講座(1)で紹介させて頂いた各論の中から、1.健康寿命を延ばす生活習慣(テクテク、カミカミ、ニコニコ、ドキドキ)の話をしたいと思います。読者の皆様には、まずは「テクテク、カミカミ、ニコニコ、ドキドキ」の4つの言葉を覚えて下さい。そして、日常生活でこれら4つの言葉を実践して頂くと共に、機会あるごとにこれらの言葉を思い出し、忘れていないことで認知症が進んでいないことを確認頂ければ幸いです。
 1. 健康寿命を延ばす生活習慣
   テクテク(健康づくりの適度な運動、テクテク歩きましょう!)
   カミカミ(和食パワーだ、カミカミしましょう!)
   ニコニコ(笑いの健康効果、ニコニコしましょう!)
   ドキドキ(五感を使って感動を、ドキドキ・ワクワクしましょう!)

 2. 健康寿命や介護予防を阻害する3大因子
    1) 運動器症候群(ロコモティブシンドローム)
    2) 内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)
    3) 認知症
 3. 抗加齢医学(アンチエイジング医学)とエビデンス
    人における確実なエビデンスは未だ存在しない
    カロリー制限仮説と酸化ストレス仮説

 健康寿命を延ばすための生活習慣として、NPO法人日本成人病予防協会は、@テクテク、Aカミカミ、Bニコニコ、Cドキドキの4つを奨励しております。これら4つの言葉を実践することによってこれから説明します数多くの健康効果が生れ、引いては細胞の減少や機能低下を防ぐことによって、老化を遅らせる事が出来ると考えられているのです。

 それでは、それぞれの言葉について具体的な中身を見ていきましょう。
・テクテク(健康づくりの適度な運動、テクテク歩きましょう!)
 適度な運動は、余分な体脂肪を燃焼させて健康増進に利する(中性脂肪、悪玉コレステロール、血糖値の減少、善玉コレステロールの増加)ばかりでなく、自律神経を整え、睡眠の促進、ストレス解消や新陳代謝の亢進、ダイエット、基礎体力養成(心肺機能の増強、足腰の筋肉増強)など多くの良い効果をもたらすことが知られています。しかしながら、ただ闇雲に運動すればいいというものではありません。私達中高年は、将来一流選手になることを目指している訳ではありません。激しい運動は返って逆効果となり、逆に健康を損ねる可能性があります。
 厚生労働省が作成した健康づくりのための運動指針によれば、
1)生活の中に運動を(歩くことから始めよう。1日30分を目標に。息が軽く弾む程度のスピードで。)
2)明るく楽しく安全に(体調に合わせてマイペース。工夫して、楽しく運動長続き。時には楽しいスポーツも。)
3)適した運動、有酸素運動(歩行:10分以上/1kmのペースで。ハイキング:2000m以下、4km/時以下のペース。ジョギング:8km/時以下のペース。サイクリング:18km/時以下のペース。水泳や水中運動。体操やダンス、テニス(軽いラリー中心で)。)
 運動を実施する際は、特に寒い時間帯や暑い時間帯、食事の直後を避けると共に、喉の渇きに拘わらず定期的に水分を補給しましょう。

・カミカミ(和食パワーだ、カミカミしましょう!)

 日本は世界有数の長寿国であることは最近の平均寿命統計が証明してくれています。食生活が欧米化する中で、中でも見直されつつあるのが日本食です。日本食は低カロリーで主食がご飯であり、ビタミン・ミネラルが豊富な野菜や海藻、良質なたんぱく質や脂肪を含んだ魚介類を多く使う「健康長寿食」と考えられています。
 食べ方の基本は「早食いは肥満のもと、食事時間は最低でも20分。朝食を取って、脳にブドウ糖補給、生体リズムを調整し排便促進。一口20回以上噛んで、脳への刺激とエネルギーの消費。腹八分目で活性酸素を抑え、老化の防止と免疫力の増強。」です。
 よく噛んで食べると唾液がたくさん分泌されます。唾液には老化の予防に役立つパロチンというホルモンが含まれています。また噛むことによって体力の指標である開眼片脚立ち時間が長くなり、握力が高くなることが分かっています。

・ニコニコ(笑いの健康効果、ニコニコしましょう!)
 人は社会生活を送っている限り環境から少なからずのストレスを受けており、ストレスのない生活は考えられません。また人はストレスがあるからこそその中で精一杯の努力をし、ストレスを乗り越える事によって自分自身を高めていると言えるかも知れません。

 しかし、ストレスがその人の許容量を超えてしまうと自律神経のバランスが崩れ、ホルモンのもつストレスに対する防御力が限界を超え、最終的に身体の恒常性を維持するシステムが崩壊して様々な病気や身体の変調を招いてしまいます。特に、まじめで几帳面な「模範的タイプ」、気にしてばかりの「取り越し苦労タイプ」、頑固で厳格な「自分勝手タイプ」、嫌とは言えない「うなずきタイプ」の人達はストレス感受性が高いと考えられています。思い当たる人がいれば、普段からストレス対策を心がけるようにしましょう。そのためには、まずは完璧主義を捨て心にゆとりを、過去の失敗は早めに忘れて未来志向で、一つの考えにこだわらず思考は前向き思考で、悩んだ時には一人で抱え込まず相談を、以上を実践してみると良いでしょう。加えて、@時間のコントロール(忙しい時間の中で少しでも時間を作って、趣味や運動など自分自身がリラックスできるために使う)、A十分な睡眠の確保に心がけては如何でしょうか。
 ストレスのない笑いの多い生活は、免疫力のアップ、自律神経の安定、ストレス解消と癒し効果、リンパ球の活性化による癌の予防効果、ホルモンのバランスを改善、脳波でα波が多く現れて集中力がアップ、腹筋や横隔膜が鍛えられ便通も改善などなど、数多くの健康効果が証明されております。

・ドキドキ(五感を使って感動を、ドキドキ・ワクワクしましょう!)
 「してみたいことがあり、行ってみたい所があり、そして会いたい人がいる」「時間を忘れてついつい没頭してしまうことがある」この様な生活を送ることは脳、特に前頭葉にとって重要な刺激であり、認知症予防になると考えられています。
 人は外界からの情報を五感を通して取り入れると、言語・計算・理論などは左脳に入り、また色彩・音色・感情などのアナログ情報は主に感情の脳と呼ばれる右脳に入り処理されます。そしてこれら処置された情報は最終的には前頭葉に送られ、状況を判断し、分析し、それに対してどの様に対応するかを決断します。つまり、前頭葉は右脳と左脳からの情報を処理し意思表示をするコントロールタワーとして機能しており、このバランスが崩れると認知症の症状が認められるようになるものと考えられております。
 従って、ドキドキ・ワクワク体験は認知症予防につながり、引いては元気で長生き出来るということなのです。

 以上で「元気で長生き」講座(2)を終えたいと思います。皆様には、4つの言葉「テクテク、カミカミ、ニコニコ、ドキドキ」を覚えて頂けましたでしょうか?善は急げ!今日からでも、時にこれら4つの言葉を思い出し、出来るところから実践してみましょう。

 次回は、健康寿命や介護予防を阻害する3大因子の1つ、運動器症候群(ロコモティブシンドローム)の話をしたいと思います。読者の皆様は既にお気付きだと思いますが、4つの言葉の実践によって、次回以降にお話しする「健康寿命や介護予防を阻害する3大因子」:1)運動器症候群(ロコモティブシンドローム)、2)内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)、3)認知症の予防に繋がっているのです。



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