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ルンガ川を渡って


                               H25.09.11

 ルンガ川を渡って

 つばさ会会員 和泉 永一 氏(B22)は、退官後、会社勤務の傍ら、JYMA日本青年遺骨収集団に属し、硫黄島の遺骨収集活動等に積極的に参加されています。
 この度、表題にありますように「ガダルカナル島未帰還遺骨情報収集活動第3次自主派遣隊」に参加され、その体験をつばさ会HPに寄稿頂きました。
 会員の皆様には、ぜひ、ご一読を頂き、また、つばさ会HP等を通じ、ご感想をお寄せ頂ければ幸いです。

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 ルンガ川を渡って

                   つばさ会会員 和泉 永一

本年8月17日から31日までの間、ガダルカナル島 丸山道 第一野戦病院付近における遺骨収容活動に参加しました。参加組織の名称は、ガダルカナル島未帰還遺骨情報収集活動第3次自主派遣隊で、全国ソロモン会、JYMA(日本青年遺骨収集団)、第二師団勇会が活動母体となり編成されました。平成22年度から偵察派遣を開始し、今回が三回目の派遣でした。

派遣隊長は浅草寿仙院の崎津寛弘住職、副隊長はジャーナリストの笹幸恵氏。参加者は公募で、17日から24日までの参加者約15名、24日から31日までの参加者約30名の規模で活動しました。参加者には、当時ガ島で戦われた94歳の隊員、現地で活動している青年海外協力隊(JOCV)の隊員も含まれています。

このガダルカナル島自主派遣隊は、厚生労働省が実施する海外未帰還遺骨情報収集事業の一翼を担うもので17日から24日の間は独自の計画による活動、24日からは政府派遣団の統制下による活動でした。

丸山道における活動は、ルンガ河畔にてソロモン人14名とともに野営し、朝食後ゴムボートでルンガ川を渡河、第一野戦病院跡へ前進して夕刻まで捜索収容を行うものでした。遺骨の捜索はソロモン人が担います。蛮刀を持ち裸足かサンダル履きでジャングルを切り拓くソロモン人には、兵士の眠る場所が解るのです。驚きです。ソロモン人によって地表から10pほどの深さのところに流出したと思われる骨片が確認されると、皆で周辺を掘り、収容します。また、地表から30p程度のところには、埋葬されたと思われる数体の全身の遺骨が確認されます。70年を経て光を浴びる兵士に、迎えの遅れを詫びつつ収容いたしました。

第3次自主派遣隊は、丸山道での7日間の捜索収容活動とツラギ方面での収容活動により36柱を収容。日本遺族会などによる収容分を含めて137柱を洗骨、焼骨し、9月3日、霞が関にて派遣団から厚労省へ引き渡されました。

ガ島への渡航は、成田発ニューギニア航空B737にて、ポートモレスビー経由でヘンダーソン国際空港着となります。途中、サラワケット、オーエンスタンレーを眼下にします。
ソロモンでは日本国政府の長年にわたる地道なODAにより、空港、道路、橋などが整備され、ODAによる建設の表示もきちんとなされていました。各所にある慰霊碑はソロモン人によって良好に整備されており、ソロモン全体が親日であることを感じました。
ガ島の活動拠点は、日本人が経営するキタノメンダナホテルで、ガ島No1のリゾートホテルです。支配人のご理解によりホテル内に派遣隊用倉庫が設けられ、活動備品が収納されています。このホテルから野営地まではランドクルーザーで約一時間。Door to Doorです。朝夕の定期車両の運行により野営地の飲料水も十分確保されます。日本大使館、ガ島在住の日本人の方々の協力があり、物資の調達等も容易です。収容活動と焼骨に必須なソロモン人との関係も確立されています。これらの態勢は、これまでの自主派遣隊の尽力の賜物であり、実に見事です。
ソロモン人との意思の疎通は、ソロモン諸島が英国統治下にあったため、英語です。野営地でのソロモン人との交流は、素晴らしい良き思い出となっています。


硫黄島、沖縄での国内の遺骨収集事業を含めて、海外未帰還遺骨情報収集事業は継続されています。海没遺骨などを除き、未帰還遺骨は約60万柱です。厚生労働省では、南方地域からの遺骨帰還の促進を図るため、平成18年度から、民間団体等の協力を得つつ、フィリピン、東部ニューギニア、ビスマーク・ソロモン諸島、インドネシアにおける未帰還遺骨の集中的な情報収集を実施しているようです。収容には人手が必要です。

米統合軍内には、ハワイに司令部を置くJPAC - Joint Prisoners of War, Missing in Action Accounting Commandという組織があり、情報が入り次第48時間以内に要員を現地へ派遣する体制が執られているとのことです。本来、遺骨収集事業は国軍の任務であると認識いたします。現体制で現役が参加することは無理ですが、定年退官後に各自一回の遺骨収集事業への参加について、ご検討をお願いするものであります。参加方法は、個人的に民間団体に参加する方法と、自ら隊を編成して参加する方法があります。
派遣隊名「つばさ派遣隊」「JPAC-JAPAN」などは如何でしょうか?

今回の第3次ガ島自主派遣隊においては、空自OB3名、海自OB1名、陸自現役1名、即応予備自1名の自衛隊に縁のある者が参加しました。
参加に関するご質問など、お気軽に問い合わせ下さいますよう、お願い申し上げます。



     ソロモン平和慰霊公苑


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和泉 永一 氏