モルトケ門下の逸材として兵学界に名をなしまた実戦においても令名を馳せたヴェルヂ・ドュ・ヴェルノア将軍が1866年ナホド戦場の縦隊指揮官として初陣の感想は彼の「師兵術」に記され、じ来屢々引例されるところになっている。
即ち彼は眼前に現出した諸種の困難に当面し、これに対処するための過去の範例又は教訓も自己の記憶中に求めたが何の得るところもない。
「戦史も原則も事に当たって何の役にも立つものではない。結局これはどうすればよいのか。」
かくして彼らは自らこれに対処する方策を出した。「一体問題の要求するところは何であるか。」
De quoi S’ agit-il? 即ちこれに対処する自己自身の能力、これが要求される能力である。