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由良2佐の戦史記事


                           H26.09.08


歴史(戦史)への接し方-その5-歴史は世につれ、国につれ-


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 また、前述した『史記』のように、我々日本人にとっては高校の漢文の教科書でも取り上げられ、その文中に出てくる故事成句が各種逸話となり人生訓的な意味合いまで持っている中国の古典ですが、現在の中国の方々が日本人と同じレベルの興味を持っているかは判りません。我々日本人は、『史記』だけでなく、孔子の『論語』や兵書である『孫子』にも慣れ親しんでいます。しかし、中国の古典だからと言って現在の中国でこれらの古典が日本と同じように、もてはやされているとは限らないのではないかと感じています。

 何故なら中国では1960年代後半から70年代前半にかけて、「文化大革命」が発生しました。現在ではこの「革命」に対する評価は厳しいものとなっています。この「革命」の最中にいろいろな文化財が破壊されたとされています。さらに、歴史的に中国に大きな影響を与えていた思想である儒教もこの時に批判されたそうです。

  
       紅衛兵を描いた図

 日本人にとってその歴史の興味が時代につれ変化するように、他の国家、国民でも、自分たちが興味を持つ歴史は、時代によって変わってくるのかもしれません。我々日本人が中国から古典を受け入れ慣れ親しんでいるからと言って、その起源である中国で同じ古典に慣れ親しんでいるかは定かではないと思われます。ただ将来は判らないのです。何故なら中国の古典、その中でも特に古い(つまり価値の高い)写本は中国本土より日本に多く残存しており、最近古書店からそれらの中国の古典の写本が中国の人々によって購入されているというお話があるそうです。そのような傾向が続けば、中国でも将来日本と同じレベルでそれら古典に興味を持つようになるかもしれませんね。
                          (この項、完)


          幹部学校戦史教官室 2等空佐 由良富士雄


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