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カンボジア見聞録


                            H28.08.23

 カンボジア見聞録 16(食について)

                       柴田幹雄
                       カンボジア在住

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カンボジア料理(続き)
 サラダでおすすめはニョアム・スワイというマンゴーのサラダ。ニョアムはサラダ、スワイはマンゴーのこと。観光案内にはいろいろトッピングしたおいしそうな写真がでているが、実際に田舎レストランで食べたのは、まだ固いマンゴーを千切りにしたものにトマトなどをのせただけのもの。マンゴーの香りはそのままに、熟していないから少し酸味がありコリコリとした歯ごたえで、あっさりして美味しい。
 カンボジア北東部のバッタンバン州にある地雷処理現場へ行くとベースキャンプに詰めている衛生隊員が、負傷者・病人が出なければ暇だからシェフになって竈ひとつで料理を作ってくれる。ここで食事をするのは日本人教官と処理事業に関わっているカンボジア人スタッフだけだが、しっかり作ってくれてなかなかおいしい。が、決して洗練されたものでなく文字通りの家庭料理という感じ。豚肉と野菜の煮込み、魚の姿煮、野菜炒めなどが多く、味付けは塩味だけのようだがうまみもあり、プラホックがうまく使われている。

 これらの副食を大き目の皿に盛った米飯に添え、混ぜながら食べる。米はパラパラしたものでなく日本のコメに近いねばりがある。カンボジア人は米飯は好物で結構量を食べる。塩気が足りなければ、小皿にトゥックトライを入れ、ニンニクスライスとトウガラシのぶつ切りを加えて日本のわさび醤油のように使う。
レストラン(先ほどからレストランと書いているが、ちょっと違和感があって、クメール料理食堂といった方がぴったりのところも多い)で食べた場合は、食後にアイスミルクコーヒーを飲むことも多い。これは絶品で、グラスの四分の一くらいコンデンスミルクを入れ、氷をたっぷり入れてかなり濃いめのホットコーヒーを注ぎこんで出来上がり。濃厚なミルクコーヒーでコンデンスミルクの甘みが口中にまとわりつくようで大好物である。これはたぶん仏領インドシナの時代のフランス風の名残ではないかと勝手に思っている。

 結婚式などのパーティーでは子豚の丸焼きや大きな鯉のような魚の丸揚げなどもあった。子豚の丸焼きはタレを付けてじっくり焼いたもので北京ダックのようにつやつやと焼き上げてある。美味しそうで、一切れ取って食べたが皮が固い。皮の内側の肉だけそぎ落とすように食べたが、あとで聞くと北京ダックと同じで皮がおいしいのだそうだ。私は日本でもてはやされるような箸で切れるほど柔らかい肉がいい、という思い込みはない。こちらの肉は総じて歯ごたえがありむしろ好みだ。だがあの子豚の皮は堅かった。タレをつけてじっくり焼いた料理はほかにもあって、道路沿いの屋台でチキン、小型の鳥、蛙なども焼きながら売っている。いい匂いとうまそうなきつね色だが、ちょっと近寄りがたい気がしてまだ試していない。

 カンボジア料理は当然のことながら種類も味付けも多様で、とても私ごときが紹介しきれるものではないが、忘れてならないのがクイティオである。これはベトナムのフォーに似たコメ粉の麺で、スープもビーフやチキンベースだから日本人にも全く抵抗なくおいしい。これに牛肉スライス、もやしやチンゲン菜などの野菜などがトッピングされ、一般に朝食として食べることが多い。バッタンバンでいつも泊まるホテルの朝食では、3種類ほどの麺から一つ選び、トッピングなどを指定するとそこでさっと湯がいて作ってくれる。これにお好みでトウガラシ、バジル、コリアンダー、レモングラスその他よくわからない調味料などを加え、魚醤で味を調えて食べる。朝から気分よく仕事に向かえる。

                      つづく

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