○○学校 本文へジャンプ
「誰が守る?日本の安全!」-ビートたけしのTVタックル

 8月13日(月)テレビ朝日系列で放送されたビートたけしのTVタックルでは、「誰が守る?日本の安全!」と題 し、終戦から67年…、
 誰が守る?日本の安全!
 憲法も武器も押し売り?
 オスプレイ配備のナゼ?
 アメリカ依存脱却は?
 憲法9条改正で国防軍発足?
 集団的自衛権VSテロの脅威 などのテーマについて報じました。
  TV朝日の中では、比較的、不偏不党と思われる番組であり、ご覧になった方も多いと思いますが、?と感じる部 分がありました。一例を挙げると、「憲法も武器も押し売り?」の中で、F-15の価格について、米国では約34億円、日本が買うと100億円を超える。今回もF-35を102億円という高い価格で買わされようとしている、というものです 。
 しかし、考えてもみてください。約34億円は米国内価格、100億円越えはラ国によるもので、またF-35はFMS価 格です。同列に比較、論じられるものではないことは明らかです。日本はアメリカの言いなりで、いつも高いものを買わされているという風に思わせたいのでしょう。F-15の中身についても米国より劣るものを売りつけられているとの発言もあ りました。それは対外的に秘とすべきものがあるのは当然でしょうし、日本独自の制約による改修が必要な部位もあるでしょう。また、ラ国において製造設備、冶工具、製造図面等を一から整備していけば、高くなるのは当然でしょう。その代わり日本はラ国により進んだ米国の技術を学んだはずです。F-15の製造技術はF-4の延長線上と軽く考えていた製造会社は、やがてまったく新しい思想でF-15が設計・製造されていることに気がつきました。部品の製造にあたり相当数のおシャカを出した会社もあると聞いています。(ちなみに「押し売り」というところの憲法を変えないのは日本の事情です。テレビ朝日が改憲論者とは知りませんでした)
 FMSについてもアメリカの言いなり価格で無理やり高く買わされていると思わせたいのでしょうが、実際は違います。まず、どこの国にでも 売るものではないこと。価格は米軍購入価格に手数料を上乗せしたもので、ぼったくり価格ではありません。有償援助契約ですから、いやならやめればよいだけです。
 納期についても一言、言っておきます。いつ入るか分からないという不満がありますが、米国は全世界の状況を見ていて、優先度に応じて出荷しています。限られた 装備品をどこに渡せば安全保障上有効かに基づいて判断しています。それでも日本はプライオリティの最上位が3位と、米国、NATO諸国に次ぐ高さです。米国勤務中に、ある装備品の稼働率が低い、発注している部品の出荷を急いでくれと米軍に言ったところ、「当該装備品の 稼働率は、XX%で設計してある。それを切ったら言ってくれ。われわれはなんでもする」という返事でした。これには参った。確かに設計以上の能力は発揮できない。日本側の高すぎる要求レベルについては考えるところがあるかもしれません。
 話がそれましたが、FMSでは、装備品のほか、教育、訓練、弾薬なども取得できます。もちろんバーゲニングパワ ーを持つことは大事ですが、ここでは省略します。
 番組では、このほかオスプレイが最低高度150m以下で市街地を飛行するようなことを言っていたようですが、飛行ルートはほとんどが山岳地帯で、しかも150m以上、予定飛行経路も明らかにしてあります。  番組全体に印象操作しようとしている感がありました。山本七平氏がその著書の中でアントニーの詐術というものを紹介してますが、詐術により視聴者を誤った方向に教唆、扇動するものでなければよいがと思います。




関連URLも参照してください。
http://www.tv-asahi.co.jp/tvtackle/