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ロシアSu-34戦闘機の組み立ての様子が公開

                                        H260702


1 概要
  2014年6月27日付の「中国網日本語版(チャイナネット)」は、「ロシアSu-34戦闘機の組み立ての様子が公開」と、ロシアメディアの記事を紹介しました。記事はシンプルで、「ロシアメディアは6月23日、ニューシベリア航空生産連合体チカロフ工場の最新型Su-34戦闘爆撃機の製造場所を公開した。」というキャプションとともに「Su-34戦闘機 ロシア 組み立ての様子」との説明付き20枚の画像が掲載されています。
 
 Su-34戦闘機は、Su-27の発展型の戦闘爆撃機であり、左席がパイロット、右席が兵装担当士官席のサイドバイサイド配置となっています。戦闘機でありながら、座席後方には電子レンジや冷蔵庫を備えた簡易キッチンを装備していると言われています。
 配備計画は、「2010年に24機編成の最初の実戦飛行隊1個を編成して、2015年までに58機が整備される予定」となっています。

2 所見

 報道された画像を見て、いろいろなことに気付かされると思います。
(1) 工場は治具上での組み立て方式で、ライン式の生産方式は採用していない。
(2) 機体構造は金属が主体で、複合材料は使用していないようだ。
(3) 機体構造は、モノコック構造で特に目新しいものは見受けられない。
(4) 工員は比較的若く、また女性の姿も見られるところがロシア的か。
(5) 工場に安全に関する標識等の掲示は見られない。
(6) スホーイの作業服以外の作業者にドレスコードがない。引き入れ外注者か。また、軍人の姿もない。
(7) 全般に安全帽、安全眼鏡等の着用は見られない。
(8) 工程進捗表など、掲示物自体が少ない。PCもなく、工程管理はどうやっているのか不明。
(9) 屋外に未塗装のまま試験状態の機体があり、塗装工場の受入数に制限があるのかもしれません

 全般に製造方式は旧式と見られ、最新的な管理方式による効率的な生産を考慮しているとは考えられません。
 工程進捗表も、PCもないようで工程管理をどのようにやっているのか不明です。 部品も雑然と置かれています。工程の進捗に応じた部品の手配や取り付け位置の近くに置く等の配慮はさほどされていないようです。 イヤーマフは見られるものの、安全帽、安全眼鏡も見受けられず、安全に対する意識が低いようです。工場でよく見られる安全色彩も見当たりません。

 反面、エンジン、電子装置等の核となる技術があれば、旧式の構造、生産方式でも最新の機体が製造できると言うことを示唆しているとも言えます。 Su-34がベトナムに輸入されたという話もあり、本機の機数はアジアの安全保障関係に影響を及ぼすことは必至であり、今後に関心が持たれます。


3 関連
URL
   著作権に配慮し、画像のアップは控えます。関連URLを参照して下さい。
  http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2014-06/27/content_32792731.htm


4 続報(0704)
  2014年6月27日付の「中国網日本語版(チャイナネット)」は、続報として「ロシアSu-34戦闘機の組立所が再公開 全て手作業」との記事を掲載しました。特に目新しいものはないものの35枚の鮮明な画像が掲載されています。以下のURLから確認してください。
  http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2014-07/03/content_32844671.htm
  なお、Su-34のステルス性の有無について質問がありましたが、垂直尾翼が直角、パネルの形状等からステルス性は考慮していない設計と思われます。半面、機体収容能力に余裕がありそうで、電子妨害能力については注意すべきかもしれません。

                             (記:n-alfa)