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「航空機開発の現状」


 三木会は平成25年1月17日(木)1300〜1430、グランドヒル市ケ谷において、技術研究本部 技術開発官(航空機担当) 古賀久夫 空将を講師にお迎えして「航空機開発の現状」と題して講演会を開催しました。
 古賀空将は簡単な自己紹介のあと、概要、以下の内容について講話されました。
1 防衛航空機開発の歴史
2 将来戦闘機構想と先進技術実証機
3 次期固定翼哨戒機・次期輸送機
4 救難飛行艇US-2の民間転用
 講師によれば、昨年の航空宇宙博で講演したものと同じ内容ですが、航空宇宙博では20分で今回は1時間15分の講話ということで中身が濃いようです。


 まず、「防衛航空機開発の歴史」においては技本航空機開発の機体について紹介されました。
 小型機と大型機・飛行艇の開発について図表により説明されました。20年間開発が中断したことが、技術の継承が行われず、その後のP-X/C-Xの開発に影響を与えたことなどについて言及されました。


 続く「将来戦闘機構想と先進技術実証機」については、そのコンセプトについて詳細な解説がありました。
 右図を参考にして頂きたいですが、基本的なコンセプトとして「我が国の優れた技術を駆使し、情報優越、知能化、瞬間撃破力などの新たな戦い方で対応」することとしています。
 具体的には、「高度に情報化/知能化され、瞬時に敵をたたく戦闘機を"i3FIGHTER(アイ・ファイター)"と称し、これに「我が国が保有する素材技術、パワー半導体技術など世界一の技術を駆使した「カウンタ・ステルス・ファイター」を開発しようとするものです。


 講師からは、先進技術実証機について、機体のサイズ、構造、エンジン等々、その狙いとするところや現状の問題点などについても詳細な説明がありました。特にエンジン等については、きちんと開発をしていないと諸外国との交渉においても有利な立場に立てないこともあり、今後開発に取りかかりたいとの話がありました。
 またなぜステルス機の構造は似たものとなるのか、機体重量はなぜ増加していくか等、機体特有の性質についての解説を織り込みながら、その特性について解説されました。 
 次期固定翼哨戒機・次期輸送機については試験飛行のビデオを交えながら開発の現状、問題点等について説明がありました。各国において類似の機体を開発しながら、同じように構造上の問題を起こすのはなぜかについてもなるほどと納得させられる説明があり、聴講者の関心を呼び起こしていました。
 インドが関心を寄せている「救難飛行艇US-2の民間転用」についても技本として協力している状況が語られました。
 最後にまとめとして、防衛航空機等の国産開発能力の重要性と厳しい財政状況の下、事業活性化のための創意工夫が重要との認識が示され、講話を終了しました。

 例によって、講話は直接現地でしか聞けない話も多く、有意義なものでした。今回はつばさ会賛助会員もお見えになり、議題、講師に対する関心の高さを示していました。
 講師の最初の話にあったように昨年の航空宇宙博では20分の内容でしたが、今回は約4倍の時間をとって頂いただけに中身の濃いものでした。会場の都合上、参加出来る人数には限りがありますが、せっかくの機会であり積極的にご参加頂きたいと思います。
 次回の三木会につきましては、内容が判明次第、このHPでご紹介いたしますのでよろしくお願いいたします。


(文・写真:n-alfa)