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演題:「将来戦闘機について」

   技術開発官(航空機担当)
       小城 真一 空将


 三木会は平成27年4月15日(水)1300−1500、グランドヒル市ケ谷において、技術研究本部 技術開発官(航空機担当) 小城 真一 空将を講師にお迎えして「将来戦闘機について」と題して講演会を開催しました。

 小城空将は、簡単な自己紹介のあと、前後段2回に分け、概要以下の内容について講話されました。
1 将来戦闘機の研究開発ビジョン
2 中期防衛力整備と検討体制
3 将来戦闘機に向けた技術研究本部の取り組み
4 まとめと開発に向けた課題

1 将来戦闘機の研究開発ビジョンについて
 まず、将来戦闘機の開発ビジョンは、「戦闘機の生産技術基盤のあり方に関する懇談会」による平成21年に6回開催された官民の意見交換会を経て、同年12月に「懇談会中間とりまとめ」として公表されました。この中で、「将来の戦闘機に関する研究開発のビジョンを策定し、防衛航空機産業と広く共有する」ことを提言されました。
 これをもとに平成22年8月、省内の検討結果として、「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」が公表されました。この「将来戦闘機研究開発ビジョン概要」と「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」からは「将来戦闘機コンセプト将来戦闘機コンセプト図」が、説明に使われました。

2 中期防衛力整備と検討体制について
 航空機開発については、平成25年12月17日閣議決定の「中期防衛力整備計画」においては、「将来戦闘機に関し、国際共同開発の可能性も含め、戦闘機(F-2)の退役時期までに開発を選択肢として考慮できるよう、国内において戦闘機関連技術の蓄積・高度化を図るため、実証研究を含む戦略的な検討を推進し、必要な処置を講ずる(P19)」とされました。
 これを受け、「F-2後継機のライフサイクル全体を通じたプロジェクトの一元的な管理を行うため、省内関係部署におけるそして横断的な検討を行う「F-2後継機に関する検討チーム」が設置された、とのこと。この検討チームは、経理装備局航空機課長をチーム長として、内局、空幕、技術研究本部、装備施設本部からなるものとのことです。
 技本における「将来戦闘機推進プロジェクト体制」は、技術開発官をリーダーとする組織体制が組織されたと紹介されました。

3 将来戦闘機に向けた技術研究本部の取り組みについて
 「将来戦闘機に向けた技術研究本部の取り組み」は、「機体」、「アビオニクス」、そして「エンジン」の三つからなり、おおむね30年ころから「F-2後継の選択肢」が視野に入ってくる、現在はそこに向けての各要素技術が開発されている段階である、と。

 先進実証機の「機体」を例にとって説明すると、研究概要は、「ステルス性と高運動性を兼ね備えた研究機の施策」であり、ステルス技術の例として、到来方向への電波反射を抑制する「セレーション(外板接合部)」、コクピット内からの電波の乱反射を抑制する「電磁コーティング(風防・キャノピ)」、電波反射を到来方向以外の一定方向に抑制する「エッジ・マネージメント(機体形状)」、エンジンからの電波反射を抑制する「インテークダクト」などについて研究がなされています。

 先進技術実証機製造に関係する会社は、機体製造のMHI、エンジン製造のIHIなど主要10社を含む約1、000社が関係しているとのことでやはり関連企業のすそ野はかなり広い。続いて23DMUから26DMUの機体形状の変遷について、変化の部位、理由などが説明された。あえて説明すれば、F-2似の平面図からF-22似の形態に変化していく様子がうかがえました。

 この他、3次元デジタルモックアップ、先進統合センサ・システム、戦闘機用統合火器管制技術、次世代エンジン主要構成要素などについて説明された。いずれも非常に先進的な技術で、その実現、実用化が大きく期待されるものである。

4 まとめと開発に向けた課題について 
  まとめについては、項目のみ列挙します。
 ○将来戦闘機は先進技術の集合体
 ○新しい技術による新しい戦い方
 ○新技術の開拓と長期的な研究が重要
  開発に向けた課題を項目のみ列挙します。
 ○官民の情報共有と連携
 ○民間技術の更なる向上と将来戦闘機への適用
 ○新たな枠組みに対する挑戦

 講話には、つばさ会会員のみならず、賛助企業会員、また菊川専務理事の紹介により元東大特任教授 寺澤 廣一 産学連携研究推進部長も聴講されていました。本演題に関する関心の高さがうかがえます。

 講話の後の質問の時間には、会員から積極的な質問が寄せられました。現役時代にいろいろなところで将来戦闘機に関与していたが、その後の進捗状況についての関心がうかがえる質問内容でした。

 最後に、講師から次期輸送機の開発状況と防衛装備庁(仮称)の新編について、お話がありました。C-2は、28年度末の納期を目指しているとのこと。防衛装備庁についても、組織概要について説明がありました。

                (文・写真:n-alfa)